「福島の現状を見てみろ。あれで自治体には訴える資格がないなどといっていられるか」。北海道の工藤寿樹函館市長は、津軽海峡の対岸に見える青森・大間原発の建設を止めるには裁判しかないと思った。原発から５０キロ圏内の人口は青森側が９万、北海道側は３７万。世界初のフルＭＯＸ原発で過酷事故が起これば、被害は計り知れない。市民の命を守る実効性ある避難計画も策定できない……。２０１４年、函館市が自治体として初めて国とＪパワーを相手に東京地裁に提訴するまでの経緯を追い、裁判の行方を探る。※本商品は通常の書籍より文字数の少ないマイクロコンテンツです。【文字数：17625文字/単行本換算で30ページ】