商品紹介
「最近、倦怠期かな」「もう付き合って2年も経つけど、これから二人はどうなるんだろう?」「年下の彼氏がかわいくて仕方ない」「年上の彼女が好きすぎる」本書は、そんな恋人たちがもっとお互いを好きになれる物語です。
作品冒頭より
江藤由梨(えとうゆり)──二十四歳。大卒の社会人。IT関係のベンチャー企業に勤めている。
「あ……この色いいかも」
仕事帰り、同僚の買い物に付き合った手芸屋で気になるものを見つけた。
「由梨、お待たせー……って、どうしたん?」
高校からの友人でもある加奈子が会計を済ませて戻ってくると、由梨は一点をじっと見つめるばかり。
「この色、あっくんが好きそうだから気になって」
由梨が釘付けになっていたのは、濃いブラウンにグレーの差し色が入った毛糸玉であった。加奈子が買い物を済ませたと気づき、由梨もそれを幾つか手に取った。
「あぁ、由梨の年下カレシくんかぁ……。何か編むの?」
「うん。今思いついたから忙しくなりそうだけど。頑張ってみる」
「忙しい?」
「そういえば、編み物は何年ぶりだろ……。実家に編み棒あったはずだけど、取りに行く時間を編むほうに当てたいなぁ」
仕事、忙しかったっけ……という加奈子の疑問符には気づかず、由梨はその毛糸玉と編み棒を購入したのだった。
作品冒頭より
江藤由梨(えとうゆり)──二十四歳。大卒の社会人。IT関係のベンチャー企業に勤めている。
「あ……この色いいかも」
仕事帰り、同僚の買い物に付き合った手芸屋で気になるものを見つけた。
「由梨、お待たせー……って、どうしたん?」
高校からの友人でもある加奈子が会計を済ませて戻ってくると、由梨は一点をじっと見つめるばかり。
「この色、あっくんが好きそうだから気になって」
由梨が釘付けになっていたのは、濃いブラウンにグレーの差し色が入った毛糸玉であった。加奈子が買い物を済ませたと気づき、由梨もそれを幾つか手に取った。
「あぁ、由梨の年下カレシくんかぁ……。何か編むの?」
「うん。今思いついたから忙しくなりそうだけど。頑張ってみる」
「忙しい?」
「そういえば、編み物は何年ぶりだろ……。実家に編み棒あったはずだけど、取りに行く時間を編むほうに当てたいなぁ」
仕事、忙しかったっけ……という加奈子の疑問符には気づかず、由梨はその毛糸玉と編み棒を購入したのだった。
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