商品紹介
1.「この子そんなに怖い」
経営者の高橋さんは、元来幽霊お化けには否定的な豪放磊落な性格だった。ところが、ある時期から妙な夢を見るようになった。決まって九月の初旬、嫌な夢は三夜にわたって繰り返す。見知らぬ古い座敷に布団を二組延べて寝ている夢なのだが、カリコリカリコリという音が聞こえて目が覚める。横に寝ているとばかり思っていた妻の姿はない、音は切れ切れに妻の布団の脇にある衝立の向こうから聞こえてくる。気になった夢中の高橋さんは思わず衝立をどかしてみると、白髪頭をザンバラに振り乱した老婆が、何かを両手でわしづかみ歯を立ててガリガリとかじりつく様を目の当たりにする。
2.「エレベーターの子供」
とにかく安い部屋を。その条件だけで初めての一人暮らしに望んだ体験者が案内されたのは築数十年の五階建てのアパートだった。旧建築法の時に建てられていたから、最上階まで階段でしか上がれないボロボロの建物不だったが、部屋を見るとリフォーム済みでユニットバスに水洗トイレ。不満なく暮らし始めたのだが、しばらくたったある晩、何気なく視界に飛び込んできた時計の針が8時を指そうというとき、廊下の奥からチンというエレベーターの到着音が聞こえ、小さな子供達の嬌声と駆け回る足音を聞いた。実はないと思い込んでいたエレベーターが一基だけ存在していた。
3.「隙間」
体験者は二十代前半の一人暮らしの女性。彼女が中学生の時分止むを得ず、母と二人で古いアパートに引っ越しをする。地域ではちょっと噂になっていた心霊スポットまがいのアパートで一階の真ん中の部屋は8畳の洋間と6畳の和室の二部屋。寝室代わりの和室の曇りガラスの窓の向こうは砂利敷きの狭い駐車スペース。夜中になると上の部屋の住人が車で帰ってきて、音とテールランプの灯で起こされ、寝付けない夜を幾度も過ごすことになる。そして数年後、彼女がアルバイトに出るようになったとある日の深夜、信じられない出来事が母と娘に襲い掛かる。
4.「こっくりさん」
何時の時代も密かなブームを呼ぶ「降霊術」。城谷が小学生だった三十年ほど前、世間で「こっくりさん」が大流行したことがあった。ある日の夕刻児童会の会議で遅くなった城谷がランドセルを取りに教室に戻ってみると、クラスの女子が三人待ち構えて、先生に内緒で禁止されているこっくりさんをやろうと言い出した。好奇心も手伝って、四人で始めた訳だが、あまりに顕著な反応を示す降霊の儀式に不信感を抱いた城谷はタブーを敢えて冒かしてみたのだが。口演にかけると何らかのトラブルが続出する城谷怪談の中でも正にタブーの問題作。
経営者の高橋さんは、元来幽霊お化けには否定的な豪放磊落な性格だった。ところが、ある時期から妙な夢を見るようになった。決まって九月の初旬、嫌な夢は三夜にわたって繰り返す。見知らぬ古い座敷に布団を二組延べて寝ている夢なのだが、カリコリカリコリという音が聞こえて目が覚める。横に寝ているとばかり思っていた妻の姿はない、音は切れ切れに妻の布団の脇にある衝立の向こうから聞こえてくる。気になった夢中の高橋さんは思わず衝立をどかしてみると、白髪頭をザンバラに振り乱した老婆が、何かを両手でわしづかみ歯を立ててガリガリとかじりつく様を目の当たりにする。
2.「エレベーターの子供」
とにかく安い部屋を。その条件だけで初めての一人暮らしに望んだ体験者が案内されたのは築数十年の五階建てのアパートだった。旧建築法の時に建てられていたから、最上階まで階段でしか上がれないボロボロの建物不だったが、部屋を見るとリフォーム済みでユニットバスに水洗トイレ。不満なく暮らし始めたのだが、しばらくたったある晩、何気なく視界に飛び込んできた時計の針が8時を指そうというとき、廊下の奥からチンというエレベーターの到着音が聞こえ、小さな子供達の嬌声と駆け回る足音を聞いた。実はないと思い込んでいたエレベーターが一基だけ存在していた。
3.「隙間」
体験者は二十代前半の一人暮らしの女性。彼女が中学生の時分止むを得ず、母と二人で古いアパートに引っ越しをする。地域ではちょっと噂になっていた心霊スポットまがいのアパートで一階の真ん中の部屋は8畳の洋間と6畳の和室の二部屋。寝室代わりの和室の曇りガラスの窓の向こうは砂利敷きの狭い駐車スペース。夜中になると上の部屋の住人が車で帰ってきて、音とテールランプの灯で起こされ、寝付けない夜を幾度も過ごすことになる。そして数年後、彼女がアルバイトに出るようになったとある日の深夜、信じられない出来事が母と娘に襲い掛かる。
4.「こっくりさん」
何時の時代も密かなブームを呼ぶ「降霊術」。城谷が小学生だった三十年ほど前、世間で「こっくりさん」が大流行したことがあった。ある日の夕刻児童会の会議で遅くなった城谷がランドセルを取りに教室に戻ってみると、クラスの女子が三人待ち構えて、先生に内緒で禁止されているこっくりさんをやろうと言い出した。好奇心も手伝って、四人で始めた訳だが、あまりに顕著な反応を示す降霊の儀式に不信感を抱いた城谷はタブーを敢えて冒かしてみたのだが。口演にかけると何らかのトラブルが続出する城谷怪談の中でも正にタブーの問題作。
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