悪の組織メタリカ。その最下層・庶務課から這い上がった青年、小森寧人（こもりねいと）は、冷静な戦略眼と、胸の奥に潜む黒い衝動を武器に、本部営業部へと異例の昇進を果たす。 だが──その新任務は、あまりに過酷だった。 標的は、“科学のヒーロー”機動装甲【ビートル】を擁する民間研究施設「ハリスン」。 寧人は会議で堅牢なヒーローを徹底破壊すべく大胆な作戦を提案する。 それは、正義の希望を奪い、心までへし折ることだった。それが“悪”のやり方だと──。 しかし、その作戦を実行するには、社内規定を超えた「昇進」と引き換えに、世界で最も堅牢な“正義”を倒すことが絶対条件だったーー。 作戦決行の夜。寧人は作戦部隊を率いて、岐阜の山中にあるハリスンの前で誓う。 「誰一人、死なせない」。その静かな言葉は、部下の心に火を灯す。 月明かりに照らされ、庶務課、怪人、そして寧人は極秘施設に潜入する!! 正義と悪、知略と誠意、様々に交差する群像劇。 これは近未来の統率された世界で、己の信念に従って生きた一人の青年の立身出世物語である。 全ての働くオトナたちに贈る、正義と悪の近代ファンタジー第四弾登場!!