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酷似する「戦間期」と現代 第三次世界大戦を防げ【特別版】“
「新しい戦前になるんじゃないですかね」─。今から4年前、テレビ朝日の『徹子の部屋』でタモリさんが口にした言葉だ。 どのような意図で発言したのかはわからない。ただ、コロナ禍だった当時、全体主義体制を称揚するような空気が漂い、議会制民主主義の危機も顕在化し、「1930年代」に時代が近づきつつあると感じていた私は、その言葉に妙な〝重み〟を覚えずにはいられなかった。 昨今の様々な出来事を見るにつけ、その感覚は確信へと変わった。時代は、当時の「戦間期」を思わせる局面に入り、大国指導者が世界の行方、人類の運命を左右する時代になったのである。このままでは、最悪の場合、第三次世界大戦が起こる可能性も否定できない。 ただ、もし戦争になったとしても、大国指導者たちが戦場に行くことはない。いつも犠牲になるのは、市井の人々である。 英国を代表する歴史家、A・J・Pテイラーは、『ウォー・ロード 戦争の指導者たち』(新評論)最終章で日本のことを取り上げ、こう指摘している。「日本は戦争の指導者はただの一人もいなかった」 つまり、指導者不在のまま、日中戦争、太平洋戦争へと突き進み、日本は破滅したのである。当時、大衆も熱狂し、政治はそれに流された面もある。 一度始まった戦争を終わらせることは容易ではない。それは4年が経過したロシア・ウクライナ戦争を見れば明らかである。動乱の時代、今こそ歴史に学び、教訓、希望を見出し、この危機から「脱出」する必要がある。
この記事は月刊誌『Wedge』2026年3月号特集「酷似する「戦間期」と現代 第三次世界大戦を防げ」の記事に、同誌26年6月号「世界が「平和」から遠ざかる今 日本が果たすべき真の役割(東 浩紀 批評家・作家、ゲンロン創業者)」、同誌26年6月号「国際協調と法の支配を追求 安達峰一郎から学べること(三牧聖子 同志社大学大学院 教授)」の記事を加えた特別版です。
PART 1
満蒙開拓とは何だったのか 「証言者たち」に向き合う意味
編集部
COLUMN 1
信濃毎日新聞『鍬を握る』が伝えたかったこと
編集部
PART 2
「1930年代の危機」再来 「歴史」が伝える現代への警告
筒井清忠 帝京大学 学術顧問
COLUMN 2
混迷を極めた「戦間期」 世界各地で何が起きていたのか
編集部
INTERVIEW
高橋是清という〝防波堤〟なき今 日本が守るべき財政規律
幸田真音 作家
PART 3
「戦中派」のひとびと 死を前提にした生を想像できるか
3-1
「死者と共に生きる」 吉田満が背負ったもの
前田啓介 読売新聞記者、文筆家
3-2
戦争小説家・古山高麗雄 好戦でも反戦でもない生き方
玉居子精宏 ノンフィクションライター
3-3
時代を超えて響き続ける 竹内浩三の「詩の力」
稲泉 連 ノンフィクション作家
PART 4
「戦後開拓者たちの成田闘争」 〝地続き〟の歴史を考える
編集部
PART 5
〝新たな戦前〟が近づくドイツ 日本も他人事ではいられない
熊谷 徹 在独ジャーナリスト
PART 6
歴史は韻を踏む 世界の転換点で問われる日本の覚悟
中西輝政 京都大学 名誉教授
OPINION 1
世界が「平和」から遠ざかる今 日本が果たすべき真の役割
東 浩紀 批評家・作家、ゲンロン創業者
OPINION 2
国際協調と法の支配を追求 安達峰一郎から学べること
三牧聖子 同志社大学大学院 教授
著作者一覧:筒井清忠/幸田真音/前田啓介/玉居子精宏/稲泉連/熊谷徹/中西輝政/東浩紀/三牧聖子/Wedge編集部
酷似する「戦間期」と現代 第三次世界大戦を防げ【特別版】“
「新しい戦前になるんじゃないですかね」─。今から4年前、テレビ朝日の『徹子の部屋』でタモリさんが口にした言葉だ。 どのような意図で発言したのかはわからない。ただ、コロナ禍だった当時、全体主義体制を称揚するような空気が漂い、議会制民主主義の危機も顕在化し、「1930年代」に時代が近づきつつあると感じていた私は、その言葉に妙な〝重み〟を覚えずにはいられなかった。 昨今の様々な出来事を見るにつけ、その感覚は確信へと変わった。時代は、当時の「戦間期」を思わせる局面に入り、大国指導者が世界の行方、人類の運命を左右する時代になったのである。このままでは、最悪の場合、第三次世界大戦が起こる可能性も否定できない。 ただ、もし戦争になったとしても、大国指導者たちが戦場に行くことはない。いつも犠牲になるのは、市井の人々である。 英国を代表する歴史家、A・J・Pテイラーは、『ウォー・ロード 戦争の指導者たち』(新評論)最終章で日本のことを取り上げ、こう指摘している。「日本は戦争の指導者はただの一人もいなかった」 つまり、指導者不在のまま、日中戦争、太平洋戦争へと突き進み、日本は破滅したのである。当時、大衆も熱狂し、政治はそれに流された面もある。 一度始まった戦争を終わらせることは容易ではない。それは4年が経過したロシア・ウクライナ戦争を見れば明らかである。動乱の時代、今こそ歴史に学び、教訓、希望を見出し、この危機から「脱出」する必要がある。
この記事は月刊誌『Wedge』2026年3月号特集「酷似する「戦間期」と現代 第三次世界大戦を防げ」の記事に、同誌26年6月号「世界が「平和」から遠ざかる今 日本が果たすべき真の役割(東 浩紀 批評家・作家、ゲンロン創業者)」、同誌26年6月号「国際協調と法の支配を追求 安達峰一郎から学べること(三牧聖子 同志社大学大学院 教授)」の記事を加えた特別版です。
PART 1
満蒙開拓とは何だったのか 「証言者たち」に向き合う意味
編集部
COLUMN 1
信濃毎日新聞『鍬を握る』が伝えたかったこと
編集部
PART 2
「1930年代の危機」再来 「歴史」が伝える現代への警告
筒井清忠 帝京大学 学術顧問
COLUMN 2
混迷を極めた「戦間期」 世界各地で何が起きていたのか
編集部
INTERVIEW
高橋是清という〝防波堤〟なき今 日本が守るべき財政規律
幸田真音 作家
PART 3
「戦中派」のひとびと 死を前提にした生を想像できるか
3-1
「死者と共に生きる」 吉田満が背負ったもの
前田啓介 読売新聞記者、文筆家
3-2
戦争小説家・古山高麗雄 好戦でも反戦でもない生き方
玉居子精宏 ノンフィクションライター
3-3
時代を超えて響き続ける 竹内浩三の「詩の力」
稲泉 連 ノンフィクション作家
PART 4
「戦後開拓者たちの成田闘争」 〝地続き〟の歴史を考える
編集部
PART 5
〝新たな戦前〟が近づくドイツ 日本も他人事ではいられない
熊谷 徹 在独ジャーナリスト
PART 6
歴史は韻を踏む 世界の転換点で問われる日本の覚悟
中西輝政 京都大学 名誉教授
OPINION 1
世界が「平和」から遠ざかる今 日本が果たすべき真の役割
東 浩紀 批評家・作家、ゲンロン創業者
OPINION 2
国際協調と法の支配を追求 安達峰一郎から学べること
三牧聖子 同志社大学大学院 教授
著作者一覧:筒井清忠/幸田真音/前田啓介/玉居子精宏/稲泉連/熊谷徹/中西輝政/東浩紀/三牧聖子/Wedge編集部
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