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7月12日のオススメ作品

アドルフに告ぐ

この物語は1983年から約一年半、初めて漫画雑誌ではなく一般週刊誌に連載された漫画となります。
舞台は第二時世界大戦前後のドイツ。ナチス興亡時代を背景に2人の少年の友情や其々の人生が大きな歴史に呑み込まれ翻弄されていく様、そしてそこに様々な人物の数奇な人生をも巻き込んでいく物語です。
1986年（昭和61年）度、第10回講談社漫画賞一般部門受賞。

7月13日のオススメ作品

七色いんこ

主人公の七色いんこは舞台俳優。とは言っても代役専門で「素人」。なのに、天才的な演技力と記憶力で、本職が裸足で逃げ出す才能の持ち主。ここまでだとブラック・ジャックの焼き直しのようですが、このヒト、実はドロボーさんなのです！
手塚治虫は、宝塚で育ったためか舞台演劇が好きで、ずいぶん影響を受けたようです。この『七色いんこ』各章のタイトルは多くが実際の演劇から取られ、ストーリーも関連しています。
ところで、この作品、どこかでドラえもんが登場するんだとか!?

7月14日のオススメ作品

鉄腕アトム

言わずと知れた国民的ロボット「鉄腕アトム」。
私も小さい頃にテレビアニメで楽しみました。科学技術への純粋な期待を持ち、ロボットと友達になる将来を夢見たあの頃を懐かしく思い出します。
そんなアトムの誕生日は2003年4月7日という設定。
つまり現在の我々はアトム誕生後の世界を生きていることになります。なんだか感慨深いですね。
原作を読むと、きっと新しい発見がありますよ。

7月15日のオススメ作品

キャプテンKen

「スリル博士」、「０マン」に続く週刊少年サンデー連載の第3作品。キャプテン・ケンは誰なのか、過酷な状況で自分以外の幸せを考えることができるのか、と考えているうちに手塚ワールドへ引き込まれる。キャプテン・ケンが窮地に追い込まれてからアロー号が助けに来るまでにドキドキ・ワクワク感がクセになり、アッという間に読み終えてしまう。

7月16日のオススメ作品

ネオ・ファウスト

ネオ・ファウストは、手塚治虫が死の直前まで雑誌連載を続けていた未完作品の１つで、手塚治虫は最後までこの作品の完成にこだわっていたと言われています。２巻の最後には鉛筆書きの原稿が掲載されており、手塚治虫のこの作品に対する執念の様なものを感じられます。この作品の主人公でもある老教授の一ノ関教授の姿は、手塚治虫本人とどこか重なる部分もあり、手塚治虫がこの作品を通じて何を伝えようとしたかなど、いろいろなことを考えさせられる作品です。

7月17日のオススメ作品

ドン・ドラキュラ

「ドラキュラ」というフィルターを通して社会を風刺した作品。ドラキュラの作法を守りながら現代社会を生きる様や、「石油不足になると馬車が一番」と言いながら馬車で新宿へ向かうようなコミカルさが心地よい。

7月18日のオススメ作品

ダスト8

この作品は、1972年週刊少年漫画にて掲載されたが人気が出ず5ヶ月で連載中止となった「ダスト18」が原題。　　旅客機が見知らぬ島に墜落、そこで不思議な力を持った「生命の石」の力により幸いにも生き残れた10名。しかしその「生命の石」はいずれその島を支配する黒い影取り返され、皆、死ぬ運命に！それを知った生存者達の残りの其々の人生の生きざまを描いた考えさせられる作品です。

7月19日のオススメ作品

ライオンブックス

週刊少年ジャンプ掲載、１話読み切りのSF短編集です。全7巻のうち、6,7巻に当シリーズ連作休止前の初期作品を収録しています。科学のめざましい進歩を反映するかのように、初期と本格掲載期では題材の描き方に変化が感じられます。ストーリーはバラエティに富み、エピソードごとにテイストの違いを見つけるのも面白く、シリーズとおしてお楽しみ頂きたい作品です。

7月20日のオススメ作品

ブラック・ジャック

治療不可能と言われた怪我や難病さえも驚異的なメスさばきで治してしまう、天才的外科医ブラック・ジャック。しかし彼はツギハギの体を黒いマントで身を包んだ謎の風貌と、治療の対価に法外な請求をする事で有名な無免許医師であった。腐敗した医療や現代社会にも鋭いメスを入れていく医療マンガの金字塔。これまで数多くのアニメ化やドラマ化もされ、連載から40年を迎える今でも見劣りのしない内容は、高い評価を受け続ける手塚作品の中でも最大の代表作。

7月21日のオススメ作品

火の鳥

「火の鳥」と呼ばれる不死鳥の生き血を飲むと永遠の命が得られる、という伝説の下、古代・未来・宇宙と様々な舞台で人間が火の鳥を狙う様を通して生命の本質・人間の業を描いた手塚治虫作品の代表傑作。
第1巻では3世紀の倭（日本）を舞台に、ヤマタイ国とクマソ国の争いを背景にしたヒナクとナギの姉弟、ヒナクと結ばれるヤマタイの間者グズリ、防人の猿田彦らの火の鳥との関わりを通して、数奇な運命を描く「黎明編」を収録。

7月22日のオススメ作品

MW

結城美知夫は将来を約束されたエリート銀行マンだが、狂気的な連続殺人犯の裏の顔を持っていた。それは、幼少の頃訪れた島で不良グループにかどわかされた事と、同時に発生した化学兵器MW（ムウ）による全島民変死事件の場に居合わせてしまった精神的ショックによるものであった。一方で彼は、かつてその不良グループの一員であった賀来神父を、事件を起こす度に懺悔に訪れては肉体関係を持つという不思議な関係を持っていた。
「同性愛」と「猟奇殺人」をテーマにした手塚作品の中では異色の作品。

7月23日のオススメ作品

グリンゴ

タイトルは、「よそもの」といった意味を持つスペイン語から。ビジネスで南米へ渡った主人公を通して、「異国から見た日本人像」を描き出しています。まず一話読んだところで、もう物語に引き込まれている手塚作品ならではの力強さがあり、ほろ苦く、激しい、オトナの社会派ストーリーです。未完の遺作で、この漫画の巻末(3巻)に入った書き下ろしの舞台裏エピソードでは、病床でも本作を描き続けた心情をうかがい知ることができます。

7月24日のオススメ作品

ナンバー7

手塚治虫が得意とするSF少年マンガ。異星人から地球を取り返すためナンバー7こと大島七郎が地球奪還を目指して異星人との死闘を繰り広げる。七郎の父である大島博士が地球の未来を七郎へ託し、自分の身を犠牲にしてY国の使者から息子を守るシーンにより、冒頭から感涙せずにはいられない。

7月25日のオススメ作品

奇子

この作品の作品名にもなっている奇子（あやこ）は、その名前の通り数奇な運命に翻弄される女の子です。奇子は一族の体面のために肺炎で死亡したことにされ、天外家の土蔵の地下室に幽閉されたまま、外の世界を知らずに育てられることになります。タブーと言われるものを越えなければ描くことのできない、独特の世界を是非味わってみて下さい。