山崎豊子 特集
2013年9月29日、88歳で亡くなられた山崎豊子さん。綿密な取材にもとづき、社会性のあるテーマに鋭く切り込んだ作品を次々に生み出しました。 『白い巨塔』『運命の人』など、殆どの作品がドラマ化され人気を博しています。
『女系家族』(1963年著)
大手呉服問屋の社長が急逝し、巨額の遺産相続をめぐる壮絶な女たちの争い。しかし、最後に笑うのは誰もが予想もしなかった人物であった。映画に加え、何度もテレビドラマ化されました。
『白い巨塔』(1965~1969年著)
医学界の腐敗を鋭く追及した社会派小説であり、著者の作品の中でも特に傑作と名高い。近年では、2003年の唐沢寿明さん主演ドラマが有名ですね。
『華麗なる一族』(1973年著)
不気味で巨大な権力機構《銀行》を徹底的に取材し、その厚いベールを暴いた力作。映画のほか、2007年には木村拓哉さん主演でドラマ化。
『不毛地帯』(1976~1978年著)
シベリア抑留を経て商社に入った男が、再びビジネスという"戦場"で世界を相手に戦うさまを描く。『白い巨塔』と同様、唐沢寿明主演で2009年ドラマ化。
『二つの祖国』(1983年著)
日米両国で差別された日系二世。太平洋戦争に翻弄され、そして...兄弟が敵味方に分かれて戦った――。1984年のNHK大河ドラマ「山河燃ゆ」原作。
『大地の子』(1991年著)
中国残留孤児・陸一心の波乱万丈の半生を通し、大戦の重みと、日中関係を示唆する分厚い人間ドラマ。2005年、日中共同制作でドラマ化されました。
『沈まぬ太陽』(1999年著)
日本航空と、実在する同社社員の体験にもとづいた社会派フィクション。個人の尊厳や生命を奪う組織悪にメスを入れ、様々な物議を醸した作品。
『運命の人』(2009年著)
2012年ドラマ化。日本中を揺るがせたあの大事件の裏側には、1人の男と2人の女の秘められた真実があった…。
著者略歴
山崎豊子(やまざき・とよこ)
1924(大正13)年、大阪市生れ。毎日新聞大阪本社学芸部に勤務。その傍ら小説を書き始め、1957(昭和32)年に『暖簾』を刊行。翌年、『花のれん』により直木賞を受賞。新聞社を退社して作家生活に入る。『白い巨塔』『不毛地帯』『二つの祖国』『大地の子』『沈まぬ太陽』など著作はすべてベストセラーとなる。1991(平成3)年、菊池寛賞受賞。2009年『運命の人』を刊行。同書は毎日出版文化賞特別賞受賞。
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